判断力の問題:日本とフランスの試験問題の違い

キャリアデザイン

昨日、適応力と判断力をつけましょう、という記事内容の中で

海外の試験問題について少しお話ししました。

子供のころからどのような教育を受けるかによって、

能動的な考え方が身についたり、受動的なタスク処理が習慣になったりします。

そのプロセスを少し考察してみました。

「判断力を鍛えるって、どうすればいいの?」と思った方に参考になるかもしれません。

本日の記事はちょっとわかりにくいので、お時間ある方のみどうぞ~

☆ 自分で考えて判断する力の重要性

☆ 目的に到達する手段は複数ある

☆ 自分で考えて判断する力の重要性

昨日、大学受験のための試験が、日本とフランスで違うというお話をしました。

たとえば、日本であればこんな感じ。

問題: フランスの哲学者ジャン・ジャック・ルソーの代表的な著作は何か。

下記から選択せよ

1.リヴァイアサン

2.プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

3.社会契約論

4.パンセ

1~4のなかから選んで回答。

それに対して、

フランスの今年の大学センター試験にあたるBaccalaureateはこんな感じ。

問題:ジャン=ジャック・ルソー『人間不平等起源論』からの以下の抜粋について、解説せよ。

(抜粋は長いので割愛します。)

ご覧になりたい方はこちらをご参照ください

A4の白紙が配られて、自由に論述。

食べ物・持ち物持ち込み可能。スマホなどはもちろん持ち込み不可。

消しゴムは使わず、直接万年筆やペンで記述していく。

日本とフランス、まったく違う設問ですね。

日本の場合は基本、暗記でOKですし、暗記していなければ全く回答できません。

海外の場合は暗記は意味がありません。

ルソーの著作タイトルを暗記していてもこの問題には対応できません。

別に、ルソーの著作を全部読んでおく必要はないのですよ。

引用文がありますから、そのルソーの哲学にたいして、自分の意見を論述するのです。

感想文ではありません。自分の意見の論述です。

受動的な日本の試験に比べて、

非常に能動的な、自主性が評価に影響する試験です。

評価については、

自分の考え方を論理的に述べられているかという点と

その生徒の思考プロセスに焦点をあてて、点数がつけられます。

もちろん、手書き文書の読みやすさ、美しさ、といったことも評価に影響します。

日本の社会は、調和や同調を非常に大切にします。

資源の限られた島国で、農耕社会としてやっていくには、社会秩序がとても大切ですから、当然です。

特に第二次世界大戦後は、ほとんど全てを失った状態からここまで凄まじい経済成長をしたわけですから、皆が協力し合って数々の仕事を遂行していくメリットはとてつもなく大きかったわけです。

先人は本当に不屈の精神ですばらしい日本を作ってくれました。

相手の立場を考える、できるだけ皆おなじ状態にいる、

一人だけ異なる意見・行動をとらない・・・

他人に迷惑をかけない、

こういったことが美徳でした。

しかし、これからは海外とのつながりが広がり、違う価値観がどんどん社会に流入してきます。いままでのような穏やかな時代がおわりつつあります。

国土はあいかわらず島国で、海という天然の国境で守られていますが

空や海からのアクセスも可能ですし、

インターネットがこれだけ発達し、皆がSNSでつながりはじめ、日本の資源は相変わらず乏しくマンパワーも減っていくのであれば、

もう今までと同じ価値観で生きていくのは厳しいのです。

ですから、もう「皆と同じだから安心」という考えは捨てたほうがいいですよ。

自分の頭で考えて判断するのです。

4択から選ぶのではなく、ある問題提起に対して、自分の中で自分の意志を確認し、それを相手に伝える習慣を持つことが大切です。

これから人生に起きる問題に、必ず4択の中に1つ答えがあるとは限りませんし。

☆ 目的に到達する手段は複数ある

もう一つ、日本と海外の数学の問題のちがいです。

日本の場合は、こんな感じ。

1+5=【?】

海外の場合は、こんな感じ

【?】+【?】=6

場合によっては

【?】【?】【?】=6

で、自由に式を考えてよいのです。足し算でなくても、掛け算でも割り算でも。

もっと難しい数式を当てはめることもできるでしょう。

これ、小学生にも出せますし、足し算にこだわらなければ高校生にも出題できますね。

さて、この考え方を現実世界にちょっと応用してみましょう。

人にはそれぞれ目的やゴール、夢、目標があります。

企業活動でも、売上の目標や、獲得顧客数の目標数値などがあります。

目的や目標はひとそれぞれ違います。

上記の式では解が6ですが、人によって、それは5だったり20だったり、5,670,000だったり、いろいろです。

その一つの解にたどり着くための方法は、決して一つではありません。

方法が決まっていれば、その結果は一つですね(日本の問題の出し方)。

でも、ある一つの結果にたどり着くまでの方法はたくさんあるのです。

日本の教育をうけていると、この発想が乏しくなってしまいますので、人生に何か不具合がおこった場合に選択肢が一つしかないと思いがちのような気がします。

もし、あなたの目的が「配偶者と子供2-3人を養うだけ稼げる人間になる」であれば、

稼ぎ方は色々あります。その目的のために、変更できることがたくさんあるはずです。

副業を4-5個してもいいし、アルバイトを掛け持ちしたり、FXや株式投資で稼ぐこともできます。

ご実家が資産家なら、それを生前相続させてもらい、アパート経営のような毎月のインカムゲインがある仕組みをつくればいいと思います。

あなたの目的が「配偶者と子供2-3人で困らないように生活する」であれば、

働くのはあなただけでなく、配偶者にも仕事をしてもらう選択肢がでてきます。

もしくは、物価がとても安い国に家族で移住という選択肢もあります。

自分がある程度どうなりたいのかというのは(つまりキャリアデザインですが)、

ある程度頭の中に描きましょう。

最初はぼんやりしているでしょうけれど、事あるごとに具体性を加えていって、早くあなたの目的・目標・夢を決めましょう。

そして、その目的のためには、あなたがまだ知らない方法を含め、あらゆる手段があることに気づいてください。

今、ちょっと遠回りをしながら目的地に近づいている人もいるでしょうし、

もっと楽な方法があることを単にしらない人もいるかもしれません。

経験者に相談することで、知らなかった方法を教わることもあるでしょう。

目的地へたどり着く方法はたくさんあるという事、あなたはそれを自由に選べることもぜひ覚えておいてくださいね。

本日のまとめ

日本で私たちは受動的な教育を受けてきましたが、これからは国内にいても、

自分の頭で考えてものごとを判断していかなくてはなりません。皆と同じだから安心、という思考は危険です。

目標にたどり着くためにはたくさんの選択肢があります。

自分にあった選択肢を選ぶ自由があることに気づきましょう。

弟妹達へ、私たちもできるだけ良い日本をバトンタッチできるようにがんばります。

年の離れた弟妹達も、自分の思考習慣を能動的なものにシフトしてくださいね。

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