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今週はフランス人のバカンスと新人教育制度についてお話しました。
私は20代でこの「フランス人の3週間バカンスが当然という働き方」を体感してしまったのですが、当時色々な価値観が変わりました。
本日は私の体験談と20代のころどのようなキャリアデザインを考えていたかをお話します。
☆ 日本にいたころの私は普通に真面目で心配性
☆ フランス人と働いて変わった価値観
☆ 自分にできること、できないことの認識
☆ 起業を想定
☆ 日本にいたころの私は普通に真面目で心配性
純ジャパで、両親が公務員&サラリーマンという私はそこそこ真面目な普通の日本人でした。
大学生のころ、ダブルスクールで2か国語を勉強したり、
卒業後に働いた時もかな~り真面目に仕事してました。
あと、幼児のころに電車の中でトイレに行きたくなってすごく我慢したトラウマがあり、乗り物に乗る前は絶対トイレに行く、水物を控える、など心配性な性格でした。
あと、遅刻もトラウマがあって、何度も何度も目覚まし時計を確認する癖があったみたいです。部活の先生がほんとに怖かった。
でも海外一人旅やフランスでの労働経験を経て、
「いや、どうにかなるって。」
「こんないい加減でもやっていけるんだから、私でも大丈夫なんじゃない?」
と考えるようになってきました。
☆ フランス人と働いて変わった価値観
真面目な私がフランスで生活しはじめると、けっこういろんな経験をすることになります。
大学に在学している分には、友達付き合いでいいのですが、一緒に働き始めると本当にたいへんでした。
おとといもお話した通りで、フランス人はあまり働きません。
こちらが親切心で、その人の仕事を手伝ってあげたりするとさぁたいへん。
本人は帰り支度を始めて、「あとはよろしく」って、帰ろうとします。
「え、あんたの仕事でしょ?手伝ってあげてるのに、本人がかえってどうすんのよ! 何その態度???」
日本ではありえないですよね。
また、私が担当でない業務まで、「これやってくれる?」と頼んできます。
日本人的精神で最初は私の仕事なのかな?と思って引き受けてましたけど、途中で上司に確認したら事実判明。その人は早く帰りたいので、まじめに仕事する日本人に勝手に任せた、ということでした。
フランスでも日本人はアリのように黙々と働く、というイメージが浸透しています。
「コイツ働くやつだな!」と思うと、どんどん自分の仕事を振ろうとしてきます。
ここで毎回ひと悶着、「これは私の仕事ではない。あなたが処理すべきことだ」と日本では絶対に言わないような発言をしていました。
軽くけんか腰に言わないと、主張が通らないこともあり、ストレスでしたね。
あ、でも、このころ私のフランス語は飛躍的に上達したのをよく覚えています。
当時、日本で働いていた経験を振り返って、やっぱり日本人の仕事ぶりが本当に真面目で丁寧、責任感があることを実感しました。
多くのフランス人労働者は、パトロン(社長)がいなければ、おしゃべりや私用電話等、しょっちゅうサボります。そして仕事が遅いし、非合理的です。
それに、ある中小企業で働いた時は、同僚にめちゃくちゃいじめられました。
彼は、自分がクビにされて、真面目に働く日本人の私が新たに雇用されるのではないかと心配していたみたいです。
私のヴィザは短期労働許可証なのでそういう事にはならないのですが、事情が分からない彼にとっては絶対つぶしておく人物、ということでかなりひどい扱いを受けました。
フランスは失業率が10%越えですから、ある意味仕方がないのかもしれません。
厭な面も、たくさん見てしまいましたね。
そして例のバカンス。
3週間も本当に休んじゃうんだなーと、感心しました。
で、すごく考えさせられました。
渡仏前働いていた日本の職場では、有給なんてとてもとれる雰囲気ではなく、
病気で休んでも、先輩・同僚に迷惑をかけてしまったことで罪悪感がありました。
でも、こちらはしっかりと休む。
当時お世話になったフランス人の先輩(フランスでは珍しく仕事熱心な方でした)から、
「永遠に終わらない仕事なんて気が狂うよ。
一区切りつくから、ちょっと休んでまた頑張れるんだろ?」といわれたことがあります。
この人は本当によく働き合理的な仕事ぶりの尊敬する先輩でした。
そう言われて、なるほど、と思ったのをよく覚えています。
日本での仕事は、一区切りがない長距離マラソンのような気がしてしまいました。
仕事をさぼるのはどうかと思いますけど、
3週間休めるというのは、メリハリが効いていてすごくいいなぁ、私もそうしたいなぁ、そう思うようになっていました。
☆ 自分にできること、できないことの認識
実際にフランスに住んで働いた人は日本の居心地の良さを再認識するようです。
フランスでは、物事がスムーズにいかず、常に自分の立場を主張する、文句を言う、という姿勢が必須です。
慮る(おもんぱかる)、という精神がないため、何も言わなければそのままです。たとえこちらが客でも、察してくれるという文化はありません。
パリ症候群といううつ病の類が有名なように、まじめな日本人がフランスにきて適応できず、心を病む例は非常に多いです。
純ジャパの私はフランスにずっと住んで、このように常に自己主張を続けながら生きていくのは無理だな、と思いました。
そして、フランスで起業したり出世して高給取りにはなれないな、と判断できました。
ただ、専門分野の知識はかなりいい線を行っているので、十分プロとしてやっていける素質がある、と自信を持っていました。
フランス人は苦手だけどフランスの文化は好きだから何度でも訪れたい。
そして、3週間バカンスは最高だな~と。
自分ができること、できないこと、したいこと、したくないこと、を26-7歳の私は日々考え続けていたと思います。
☆ 起業を想定
そして色々と考え続けた結果、当時の私がデザインしたキャリア・ビジネスマン人生は
その専門分野を扱う事業を日本で起業する、というものでした。
フランスではやっていけない。
でも日本でサラリーマンをしていたら、長期バカンスは絶対不可能。
その結果、想定したキャリアデザインです。
● 自分の専門性がいかせる。
● フランスに何度も出張にこれる
● 長期のバカンスをとることができる
● ステップアップ留学や、病気療養・出産、親の介護などの人生のイベントに応じて仕事量を調整できる。補佐の人間を雇用できる。
こういった想定をしたうえで、働きながら自分に足りないものを一つ一つ獲得していきました。
事業立ち上げ資金の準備や貯金も、想定があったからこそ頑張れたと思います。
今、ありがたいことに当時想定したとおりの働き方ができています。
しかも、業務をクラウド化することで想定した時以上に自由度が上がっているのは予想外の驚きです。
えーっと、ただしですねー、働き方・キャリアだけは想定通りなのですが、
残念ながらお金や私生活、その他想定通りでないことだらけです(´・ω・`)
911テロ、リーマンショック、震災ごとに私のお金たちに羽がはえる現象が…
と、これは話題違いなのでまたの機会に。
キャリアはデザインしようというお話ですね。
そこで思うのは、20代である程度具体的な想定が頭の中にあったおかげで、
時間の無駄が少なく、戦略的に準備ができたのではないだろうか、ということです。
「自分にできないこと」が明確だったのも、「無駄な努力をしない」という合理性を生んだ気がします。
もちろん色々苦労や努力、絶望に近いこともありましたが、そんなことも中年になれば若き日の思い出の一つです(笑)
時々思うのですが、もしタイムマシンがあって過去の自分に会いにいけるとしたら、
私は27歳の自分に会いに行って「ありがとう。あなたの今のその努力、間違ってない。本当に感謝してる。このあといくつかつらいことがあるけど、がんばって。がんばれる!」と褒めてあげたいです。
自分語りすみません。
でも、40歳、50歳、60歳になったあなたが「ありがとう」って言ってくれるような一瞬を、若いうちにぜひ作ってくださいね。
つたないながらも、自分の経験から20代の方にはキャリアデザインをして頑張ってほしいと思っています。
よろしければぜひ、下記の記事もお読みください。
若い方のキャリア形成を心から応援しています。
弟妹達の仕事が少しでも楽しくなりますように。
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